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炭水化物・糖質・糖類の違い 〜「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は何が違う?〜

2026.07.22

健康・学び

砂糖の意外な役割を紹介するシリーズ【砂糖のホント08】。第8回のテーマは「炭水化物・糖質・糖類の違い」です。スーパーやコンビニで食品や飲料を選ぶとき、「糖質ゼロ」「糖類ゼロ」「無糖」「砂糖不使用」などの表示を目にすることがあります。どれも「糖分が少なそう」という印象を受けますが、実は示している内容が少しずつ異なります。
炭水化物、糖質、糖類は別々のものというより、広い範囲から細かい範囲へと分かれる関係にあります。この関係を理解すると、パッケージ前面の表示だけでなく、栄養成分表示や原材料名も読み取りやすくなります。今回は、消費者庁の食品表示基準や栄養成分表示のガイドライン、精糖工業会の解説などを踏まえ、炭水化物・糖質・糖類の違いと表示を見るときのポイントをわかりやすく整理します。

炭水化物・糖質・糖類の関係


栄養成分表示では、熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目が基本として表示されています。糖質や糖類、食物繊維は任意で表示されることがある項目です。炭水化物をより詳しく見たいときは、「炭水化物」の内訳として「糖質」と「食物繊維」、さらに糖質の内訳として「糖類」が表示されているかを確認します。
大まかな関係は、次のように整理できます。

用語 範囲・関係
炭水化物 栄養成分表示で基本項目として表示される成分で、栄養学上は糖質と食物繊維に分けて考えられます 米、パン、めん類、いも類、砂糖などに多く含まれます
糖質 炭水化物から食物繊維を除いたものとして扱われ、糖類・オリゴ糖・でんぷん・糖アルコールなどを含む広い概念です 砂糖(ショ糖)、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖、でんぷん、キシリトールなど
糖類 糖質の一部で、食品表示基準上は単糖類と二糖類のうち、糖アルコールでないものを指します 単糖類:ブドウ糖、果糖など
二糖類:砂糖(ショ糖)、乳糖、麦芽糖など

つまり、糖類は糖質の一部であり、糖質は炭水化物の中に含まれる成分です。たとえば、でんぷんはブドウ糖が多数つながった多糖類で、砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖が結びついた二糖類です。構造から見ると、二糖類や多糖類などの炭水化物の多くは、単糖を基本単位としてできています。
なお、栄養成分表示の「炭水化物」は、食品表示基準で定められた方法に基づき算出されます。一般的には「炭水化物の内訳として糖質と食物繊維がある」と理解すると、表示を読み取りやすくなります。


「ゼロ」「低い」「不使用」表示の違い

「糖類ゼロ」「無糖」「低糖」「砂糖不使用」などは、似ているようで意味が異なります。特に、食品表示基準で基準値が定められている表示と、商品の設計や表示値を確認して読み取る表示を分けて理解することが重要です。

表示例 基準・意味 確認ポイント
糖類ゼロ/無糖/シュガーレス 糖類が食品100g当たり0.5g未満、飲料などは100mL当たり0.5g未満 糖類以外の甘味成分が使われ、甘味を感じる場合があります。また、「甘さ控えめ」等は味覚の表現で、糖類の量を示す表示ではありません
低糖/微糖 糖類が食品100g当たり5g以下、
飲料などは100mL当たり2.5g以下
糖質ゼロ/低糖質/糖質オフ 糖質は糖類より広い範囲を含む。
商品ごとの糖質量を見て判断
糖類の表示とは異なり、明確な基準がありません。栄養成分表示で糖質・食物繊維を確認しましょう
砂糖不使用/糖類無添加 「糖類を添加していない旨」の条件を満たす場合に表示 果実や野菜にもともと含まれる糖類は残ることがあります

ここで大切なのは、「糖類が少ない」と「糖質が少ない」は同じではない、という点です。糖類は糖質の一部なので、糖類ゼロの商品でも、糖アルコールやオリゴ糖など糖類以外の糖質を含むことがあります。一方、栄養成分表示で糖質が0gと表示されている商品では、糖類を含む糖質全体が極めて少ないと読み取れます。
また、「無糖」や「糖類ゼロ」は、糖類が基準値未満であることを示す表示です。甘味そのものがないという意味ではありません。高甘味度甘味料や糖アルコールなどが使われている商品では、無糖や糖類ゼロでも甘味を感じることがあります。
「砂糖不使用」は、砂糖を使っていないだけ、という単純な意味ではありません。食品表示基準上は、糖類を添加していない旨の表示として、いくつかの条件を満たす必要があります。例えば、砂糖を使っていなくても、添加糖類の代わりとして濃縮果汁やはちみつなどを使う場合は、「砂糖不使用」と表示できない可能性があります。


【実践編】栄養成分表示を見るときのポイント

商品を選ぶときは、まず栄養成分表示の基本5項目を確認します。そのうえで、糖質や糖類が気になる場合は、炭水化物の内訳が表示されているかを見てみましょう。

栄養成分表示でまず確認したい5項目

熱量(エネルギー):食品から得られるエネルギー量です。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状態が続くと、体脂肪として蓄積されます。
たんぱく質:筋肉や臓器、酵素など、体をつくる材料となる栄養素です。
脂質:体のエネルギー源となるほか、細胞膜やホルモンの材料になります。
炭水化物:糖質や食物繊維を含む成分です。今回のテーマである糖質・糖類は、この炭水化物の中に含まれます。
食塩相当量:食品に含まれるナトリウム量を食塩量に換算したものです。食塩摂取量を考えるうえで重要な情報です。

糖質や糖類を見るときの例

栄養成分表示では、基本5項目に加えて、糖質・糖類・食物繊維などが表示されることがあります。
表示例としては、次のような形が考えられます。

この例では、炭水化物49.1gのうち、糖質が29.1g、食物繊維が20.0gです。また、糖質29.1gの内訳として糖類5.0gが表示されているため、糖類以外の糖質も含まれていると読み取れます。計算上は、糖質29.1gから糖類5.0gを差し引いた24.1gが、糖類以外の糖質に相当します。
ただし、「糖類以外の糖質」という名称は、栄養成分表示の枠内で表示する項目ではありません。商品パッケージの栄養成分表示を見る際には、上の例のように、食品表示基準上の表示項目に沿った基本の形を知っておくと、誤解なく正しく読み取ることができます。
炭水化物は、体を動かす大切なエネルギー源です。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、炭水化物の目標量は総エネルギー摂取量の50~65%とされています。糖質や糖類の違いを理解しつつ、極端に避けるのではなく、日々の食事全体のバランスを見ながら適量をとることが大切です。


まとめ


炭水化物は、糖質や食物繊維を含む広い概念です。糖質は炭水化物の一部として扱われ、糖類はさらにその中の一部です。
「糖類ゼロ」「無糖」「低糖」「砂糖不使用」などの表示は、似ているようで示す内容が異なります。特に、「糖類ゼロ」は糖類が基準値未満であることを示す表示であり、「糖質ゼロ」と同じ意味ではありません。また、「砂糖不使用」でも、果実や野菜などにもともと含まれる糖類がある場合は、糖類が0gとは限りません。
商品を選ぶときは、パッケージ前面の表示だけで判断せず、栄養成分表示と原材料名をあわせて確認しましょう。表示の意味を知ることで、自分のライフスタイルや食習慣に合った食品選びがしやすくなります。

 

【関連記事:砂糖のホント 06】
https://sustainability.msdm-hd.com/tekitou-seikatsu/tekitou-times/1516/

*監修:DM三井製糖株式会社

*出典・参考資料:
消費者庁「栄養成分表示について」
消費者庁「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第5版(令和7年4月)」 
消費者庁「食品表示法等(食品表示基準、別表第9~第21等)」 
農畜産業振興機構「糖に関する表示について~新たな食品表示基準の下で~」(精糖工業会寄稿)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 
東京都保健医療局「栄養成分表示(表示方法)」


 

 

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