北海道てん菜収穫体験研修
2025.11.25
地域社会
2025.11.25
地域社会
DM三井製糖株式会社では、事業の源である甘味資源作物や地域農業の理解促進の為、2019年から石垣島にて「サトウキビ収穫体験研修」を実施していますが、今年度は北海道にて「てん菜収穫体験研修」を初めて実施しました。てん菜はサトウキビと同様に砂糖の原材料となる植物で、北海道における基幹作物の一つとして位置付けられています。
2025年11月初旬、グループ会社である北海道糖業株式会社の協力の下、北海道千歳市の農場と北海道糖業の道南製糖所を訪問しました。農場では、まずハーベスターと呼ばれる農機でてん菜を収穫する様子を見学しました。目の前の広大な土地にてん菜が所狭しと並び、ハーベスターで次々に収穫されたてん菜が山のように積み上げられる様子に驚きつつ、北海道におけるてん菜栽培の規模感を目の当たりにしました。

てん菜はハーベスターでの収穫が一般的ですが、今回は特別に自分たちの手でも収穫を体験しました。てん菜は根部が土から少し出る程度の位置に埋まっている為、一つひとつを丁寧に土から抜き、最後に葉の部分をカットして収穫完了となります。糖分が蓄積された根部のみ大型トラックで工場へと運ばれ、葉っぱはそのまま土壌の養分として還元されます。街中でてん菜が積まれた大型トラックを何度も見掛けるのも、この時期ならではの光景です。

道南製糖所では収穫されたてん菜が最終的に砂糖製品になるまでの工程を見学しました。
まず、大型トラックに積まれたてん菜が工場内に搬入されるのですが、車体ごと荷台を傾けて搬送ラインにてん菜を投入する様子はとても迫力があります。次に、工場内に搬入されたてん菜は綺麗に洗われ、糖分を抽出する為に千切りの状態にされます。千切りにされたてん菜は「コセット」と呼ばれ、特別に試食させてもらいましたが、この時点でも甘みを感じる事ができ、砂糖の原材料である事を実感できました。その後、コセットを温水に浸す事で糖分が溶け出し、最終的にできた糖液を煮詰める事で砂糖の結晶を取り出す事ができます。
原料搬入から製品化までの流れを一通り見学した事で、収穫されたてん菜がどのように砂糖になるのか、理解を深める事ができました。

砂糖の原材料といえばサトウキビをイメージされるかもしれませんが、国内においてはサトウキビよりもてん菜の生産量が多く、てん菜も国内の砂糖製造に欠かす事のできない原材料の一つです。また、北海道においてはじゃがいもや小麦と並ぶ輪作作物の一つであり、農業経営を支える上でも重要な役割を担っています。
今回は初の試みとなりましたが、実際に自分たちの目で現地を見る事で、改めて「てん菜」の重要性を理解する機会となり、とても有意義な研修になったと感じています。今後も定期的に本研修などを実施し、社員一人ひとりの地域産業への理解促進を図って参ります。
