【前編】コウケンテツさんと
男性の子育てや家事参加を考える
料理教室&座談会イベント

2024.03.13

今、日本では2025年までに男性の育児休業取得率を30%に上げることを目標に、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて取り組んでいます。DM三井製糖(株)サステナビリティ推進室においても男性育児休業取得率100%をKPIに掲げていますが、その達成以上に大切なのは育休の中身です。そこで、現在3児の子育てをされている料理研究家・コウケンテツさんをお招きし、「男性の子育てや家事参加の促進」イベントを開催。参加したのは子育て中の方から将来育休取得予定の方を含む、DM三井グループに勤務する14名の男性社員。第1部・料理教室ではお手軽にできる家庭料理を、第2部・座談会では家事参加の大切さを学ぶ、有意義な機会となりました。

第一部・料理教室「コウさんから学ぶお手軽家庭料理!」

料理は五感を使って、より美味しく、手際よく!

サステナビリティ推進室では、育休取得後も積極的に家事や育児に取り組んでいただきたいと考えています。家事の中でも、とくにハードルが高い印象のある料理の面白さをコウさんがレクチャーしてくれました!

今回、チャレンジするのは「鶏手羽の照り煮」と「キヌアとアボカドの和風サラダ」(※クリックでレシピへ)。自社商品としても馴染みのある「国産てんさい糖」と今年度パッケージをリニューアルした「キヌア」を使ったメニューで、準備する食材も少なく手順も簡単な、おウチで再現しやすいレシピです。

参加者全員がスプーンとばらのマークのエプロンを身につけ、準備は万端。ご家庭の家事分担で料理を担当している方から包丁を握ったこともないビギナーまで、料理の腕前は様々でしたが、誰もが真剣な眼差しでデモンストレーションを見入っていました。

「鶏手羽の照り煮」はフライパンにまず砂糖と水を入れて加熱し、カラメル状になったら水、酒、酢、しょうゆなどを加えて手羽肉を煮込みます。
「この最初のひと手間が、てんさい糖のやさしい甘味を生かすのです。和食ではあまりやらない手法ですが、砂糖を煮詰めることで手羽肉にテリが出ますし、肉の臭みを消してコクが出て美味しいです(コウさん)」と、コウさん。砂糖が泡立って濃い茶色になり、とろ〜っと変化していく様子を見せながら、「調味料や食材の変化を見たり、香りで判断するのも料理の醍醐味。五感をフル活用して料理をしていただくと、より美味しく、手際も良くなっていきます(コウさん)」

料理は時間との戦い。片付けは同時進行で効率よく!

作り方をレクチャーしながら、コウさんは効率の良い家事の方法も伝えます。

「家庭で料理を作っていらっしゃる方はもちろんご存知だと思いますが、料理は時間との戦いですよね。料理だけ集中してできれば良いのですが、日々の生活は宅配便が届いたり山のような洗濯物をたたんだり、他の作業も同時進行。だから、料理をしながら出した調味料はすぐ元の場所へ戻し、まな板も洗う。同時に片付けていくことが大事です(コウさん)」

「鶏手羽の照り煮」を艶やかなテリに仕上げるためには15分ほど要します。煮込んでいる間に「キヌアとアボカドの和風サラダ」を完成させるのが今回のミッション。家事に不慣れな男性でも家庭で即実践できるよう、コウさんは参加者目線に立って語ります。

たとえばサラダづくりの工程では、「包丁を握ったことがない」という料理初心者にも分かるよう、包丁の扱い方からアボカドの種の取り方、切り方に至るまで丁寧にアドバイス。調理を始める前に材料を並べ、ある程度、頭に入れておくこともポイントだそう。

「大体の流れを最初にシミュレーションするんです。可視化しておくと、作業がスムーズになります(コウさん)」

片付けも食器洗いもゴミ捨ても。そのすべてが“料理”

コウさんによるデモンストレーションが終わると、いよいよ実践です。参加者は2人ずつでタッグを組んで調理開始! これまで顔見知り程度だった社員同士が調理を介して部署間交流を図りつつ、2品の完成を目指します。コウさんは各テーブルを回って、みなさんと談笑しながらきめ細やかに指導。「料理をするのは独身時代以来」と話す方は、サラダの下ごしらえでの野菜のカットも慎重に。

「鶏手羽の煮物も作りますが、てんさい糖で照りを出すレシピは初めてです」と話すのは、普段から朝昼晩と食事を担当されている強者パパ。鶏手羽を煮込む火加減を横目でチェックしながら、慣れた手つきでサラダを仕上げていました。

参加者には未婚男性の姿もちらほら。「料理は割とする方なので、今回のメニューは難易度低めですね」と頼もしいコメント。家事は効率的にやるように心がけているとのことで、将来的に育休を取得されたらご家庭でも活躍してくれそうな予感です。

砂糖と醤油がグツグツ煮立って甘い香りが漂い始めたら、いよいよ完成! コウさんも交えて実食タイムです。マスクを外して自分たちで作った「鶏手羽の照り煮」と「キヌアとアボカドの和風サラダ」を食べながら、「酒のアテにもいい」「クラフトビールに合いそうだ」と男同士の会話も弾みます。

「片付けもゴミ捨ても洗い物も、すべてが料理の工程です。みなさんにもやっていただきましょう」とコウさん。おいしい料理を堪能した後、参加者全員で食器を洗って料理教室は終了。育休取得に関わらず、ご家庭で料理に取り組むきっかけとなりそうな、暮らしのヒントがいっぱいの教室でした!

 

 

 

コウケンテツ
大阪府出身。料理研究家。素材の味を生かしたヘルシーなメニューに定評がある。現在は雑誌や本、テレビ、YouTube、イベントなど多方面で活躍中。一男二女のパパでもあり、自身の経験をもとに親子の食育、男性の家事育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動にも尽力。2009年よりDM三井製糖サイトにて砂糖を使ったオリジナルレシピを公開している。