【前編】コウケンテツさんと
男性の子育てや家事参加の促進を考える
料理教室&座談会
2025.04.14
人

2025.04.14
人
2023年に男性社員の育児休業取得率(実績値)の公表が義務付けられ、より一層、男性も子育てと仕事を両立しやすい環境づくりが進んでいます。DM三井製糖ホールディングスグループ サステナビリティ推進室では「男性育児休業取得率100%」をKPIに掲げ、取得推進に向けたさまざまな取り組みを行なっています。この春は料理研究家のコウケンテツさんをお招きし、社員とともに男性の家事参加や育休取得を考えるイベントを開催。DM三井製糖HDグループに勤務する社員とそのご家族の全13名が参加しました。和やかな雰囲気の中、第一部の料理教室と第二部・座談会を通して男性育休のあり方を考え、充実したひとときを過ごしました。
目次
黄色いバンダナを頭に巻き、ネイビーのエプロン姿で颯爽と会場入りしたみなさん。週に数回は自炊している料理男子から初心者マークの方まで、料理の経験やスキルはさまざまです。奥さまやお子さまとのペア参加組もあり、和気あいあいとしたムードでお料理教室が始まりました。
挑戦するメニューは、「絶品鶏ごぼうきんぴら※」と「中華風青菜スープ※」(※クリックでレシピへ)。
スーパーで買える食材を用いて、時間も手間もかけずに主菜と副菜の2品を作ります。コウケンテツさんは、DM三井製糖サイトでも砂糖を使った「とっておきレシピ動画」を公開中。デモンストレーションがスタートすると、コウさんの鮮やかな手際にみなさんの目は釘づけでした。
「中華風青菜スープ」は、栄養満点のスーパーフード、キヌアをアレンジ。コウさんはにんにくは手でグッと潰して芯を取り、酒、水、桜えび、キヌアとともに鍋に入れて火にかけます。
「ヘルシーにまとめたいので、化学調味料には頼らず乾物から旨味を出していきます。最初から材料の大半を一緒に火にかけますから、作り方はカンタン。強火でフツフツするまで煮て、アクが出たら取り除いてください。にんにくと桜えびからどんどん旨味を引き出しつつ、キヌアにも火を入れていく一石二鳥な手順です」と、コウさん。
「にんにくは潰すことで香りがスープに移りやすくなる」「酒は肉や魚の臭みを消す」「桜えびのような乾物は出汁となり具となる」などなど、コウさんは手順とともに、調理プロセスの意味やレシピの中でその材料が果たす役割も伝えます。
「料理は同時進行が肝心ですよね。鍋を火にかけている間に、使ったまな板やボウルなどは洗ったり、使わなかった食材は片付けたり。パートナーがいる方は、協力体制があればすごくいいと思います。たとえば一人が食材を切ったら、もう一人は炒めるとか、手があいたら洗い物と分担すると、料理も片付けもスムーズです。(コウさん)」
スープを煮込んでいる間に、「絶品鶏ごぼうきんぴら」を作ります。
このレシピは、ごぼうの切り方がポイント。包丁の背で皮をこそげ落とした後、麺棒でコンコンコンと叩き、切れ目から一口大に折っていきます。ワイルドな工程に、参加者のみなさんも興味津々。調理工程を楽しむことも、コウさんの料理の流儀です。
「根菜は皮と実の間に一番栄養があるんですね。ごぼうは皮をこそげ落とすことで、香りがとても良くなります。今回、ごぼうを叩いたのは、断面を増やしてより味が染み込むようにするためです。麺棒が無くても、ボトルなど家にあるもので十分。ただ力加減はほどほどに(笑)。気持ちいいので、ぜひやってみてください。(コウさん)」
ひと口大に切った鶏肉とごぼうをフライパンで炒めた後、塩少々と唐辛子を加え、酒、砂糖を加えてしばらく置きます。
「フタをして酒蒸しにすることで、鶏肉がふんわりと仕上がります」と話しながら、その間にスープに小松菜を投入し、味見をするコウさん。こうした同時進行も、見ていて参考になります。
「これが家でしたら、煮ている間に洗濯したり、風呂を入れたり、子どもの声かけに答えたり。料理には集中できませんが(笑)、マルチタスクが家事を効率化してくれます。(コウさん)」
砂糖と醤油、唐辛子の甘辛い香りが漂ってきたら、鶏ごぼうきんぴらもいよいよ仕上げ。コウさんは器に盛り付けた後、大葉をちぎって散らし、白ゴマを指先でひねりながらまぶして完成させました。こうしたひと手間が、素材の香りを際立たせ、味わいがより深くなるのだそう。
さぁ、ここからはお楽しみの実践タイム。2〜3人でチームを組み、役割分担しながら料理開始!
各テーブルで盛り上がりを見せたのは、やはりごぼうを叩く工程です。
「下手の横好きで毎日料理をしていますが、ごぼうは手を出したことのない野菜でした。包丁の背で皮をそぐのも初体験です。(Aさん)」
「週3〜4日、料理しますが、得意なのはじゃがいもやにんじんを使ったメニュー。ごぼうに叩くというひと手間を加えることで、味が染み込むというのは新しい発見でした。(Bさん)」
一人暮らしの参加者も多く、
「鶏肉はよく使いますが、ごぼうとのアレンジは初。新たなレパートリーが増えました。(Cさん)」
「スープにお酒を入れて食材の臭みを無くすというのは、初耳でした。さっそく使いたいテクニックです。(Dさん)」と話す強者の姿も。
各テーブルを回っていたコウさんは、「みなさん、お上手! 普段から料理しているの?という感じです」と大絶賛。
そして、全チームが予定時間より10分以上も早く2品を完成。手軽でおいしいこのレシピは、将来の育休取得後のご家庭で、きっと活用してくれそうな予感です。