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あなたはどっち派? 関東・関西で違う桜餅の豆知識と砂糖のはたらき

2026.02.27

ライフスタイル

春を告げる和菓子として親しまれてきた桜餅。 3月3日のひな祭りは、女の子の健やかな成長を願う行事、「桃の節句」です。ちらし寿司やひなあられ等とともに、彩り豊かな食卓に欠かせないのが、桜の葉の香りとやさしい甘さが魅力の「桜餅」ではないでしょうか。実はこの桜餅、関東と関西では姿も歴史も大きく異なることをご存知ですか?その背景には、それぞれのおいしさを支える「砂糖のはたらき」が隠されています。
本記事では、関東・関西の桜餅の由来とともに、和菓子の知恵が詰まった砂糖の使い分けについても詳しくご紹介します。

あなたはどっち派? 関東「長命寺」vs 関西「道明寺」

■ それぞれの由来

⚪︎長命寺桜餅
江戸時代に現在の東京都墨田区、隅田川沿いにある長命寺の門前で売られたのが始まりとされています。当時、川沿いに多く植えられていた桜の葉を塩漬けにし、それを利用してあん入りの餅を包んだのが誕生のきっかけと伝えられています。桜の花見でにぎわう隅田川周辺で大変評判を呼び、やがて江戸名物のひとつとして広まりました。小麦粉を使った薄焼きの生地で、二つ折りまたは円筒状にこしあんを包み、この上に桜の葉の塩漬けで包みます。

⚪︎道明寺桜餅
道明寺桜餅の材料として有名な道明寺粉は、大阪府藤井寺市にある道明寺に伝わる保存食「道明寺糒(どうみょうじほしいい)」から始まっています。これは蒸したもち米を乾燥させたもので、保存性に優れ、携帯食や非常食として、1000年以上もの歴史があります。道明寺桜餅は、関東の桜餅を参考に、香りと食感が良く和菓子の材料としても重宝されていた道明寺粉で作られたのが始まりといわれています。

■ 全国の分布

一般的に、関東と東北の一部、山陰の一部で「長命寺桜餅」、それ以外の地域では道明寺桜餅」が多く見られます。
ただし、両者の境界が明確に線引きされているわけではありません。近年は流通や情報発信の広がりにより、二種類を扱う店舗も増え、地域を越えて味わえるようになりました。地域の食文化に根ざしながらも、今では“食べ比べ”を楽しむ春の和菓子として、全国で愛されています。

※農林水産省「うちの郷土料理」の公開情報をもとに作成しています。


桜餅をおいしくする砂糖の使い分けとはたらき

● 長命寺の生地 しっとりと柔らかな「伸び」

小麦粉を主原料とする長命寺の薄皮には、上白糖が使われることが多く、これには理由があります。上白糖に含まれる転化糖の水分のはたらきにより、焼き上げた後も生地がパサつかず、しっとりとした独特の質感と柔軟性が生まれます。あんを巻いても割れたり破れにくい、薄くしなやかな皮に仕上がります。

● 道明寺のもち もちもちした「弾力」と「ツヤ」

蒸した道明寺粉に混ぜ込まれるのは、グラニュ糖や上白糖が適しています。もち米の粒に砂糖を抱き込ませることで、デンプンが硬くなるのを遅らせ、「もちもち感」を維持します。同時に、美しい透明感とツヤを与えています。

● こしあんの上品でなめらかな口溶け

桜餅には、きめ細かな「こしあん」がよく合わせられます。一般的に、こしあんには純度の高い白双糖(しろざらとう)やグラニュ糖が使われることが多いです。小豆の風味を存分に引き出し、透き通るような甘さと、口の中でスッと溶ける上品な質感を生み出します。

● 桜の葉の塩味との対比効果

桜餅に欠かせない「塩漬けの桜の葉」は、桜餅の魅力を最大限に引き出しています。
桜の香りを存分に感じさせるのはもちろんのこと、葉の塩気が加わることで、甘みがより深く、鮮やかに際立つのです。これは「味の対比効果」と呼ばれ、砂糖による「甘み」と葉の「キリッとした塩気」が重なり合うことで、桜餅特有の上品な味わいが完成します。
ちなみに、この葉を「一緒に食べるか、外すか」はよく話題になりますが、実はどちらも正解。一緒に食べれば力強いあまじょっぱさを、外せば生地に移った繊細な香りと甘みを楽しめます。


まとめ

春を象徴する「長命寺桜餅」と「道明寺桜餅」。二つの桜餅の姿は対照的ですが、どちらの美味しさも砂糖のはたらきによって支えられています。また、上白糖やグラニュ糖、白双糖(しろざらとう)といった砂糖の使い分けによって、それぞれの特性が引き出されているのも面白いポイントです。
また、お子様と手作りに挑戦してみるのもおすすめです。桜の香りと優しい甘さに包まれて過ごすひとときは素敵な思い出になる事でしょう。

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